2024.05.16 豆知識

バーチャルオフィスを利用する職種と目的

弊社でも運営しているバーチャルオフィスは、住所や電話番号を借りられる仮想オフィスのことですが、どんな業種でも利用できるのかというとそうではありません。賃貸でオフィスを借りるよりも、手頃で手続きも少なく利用できるバーチャルオフィスは、業種によっては事務所や営業所としての利用が認められない場合もあります。

そこで今回はどんな職種が利用しているのか、また利用できない職種についても紹介したいと思います。

バーチャルオフィスでの法人登記はできる

起業する際には、バーチャルオフィスでも法人登記が可能です。株式会社や合同会社、有限会社、一般社団法人、NPO法人などで法人登記ができます。バーチャルオフィスが活用できるのは、定款に記載する本店所在地のほか、登記簿に記載する本店や支店などさまざまです。

コストが抑えられたり、プライバシーを守れるなどのメリットがある一方で、同一住所に同じ法人名は登記できないなど、いくつか注意点もありますので利用前にチェックしましょう。

向いている業種

①Web関連(フリーランスのデザイナー、エンジニアなど)

フリーランスのWebデザイナーやエンジニア、Webライターなどはバーチャルオフィスと相性が良い職種です。業務に必要なPC,インターネット環境などが自宅に設置されている方、あるいはノマドワーカーとして様々な場所で仕事をする方が、事業の拠点として登録するためにバーチャルオフィスを利用されています。Web関連の業種は、サービス業や広告業など、提供している商品によって変わってきます。

②動画配信者・ライバー

YouTubeやTikTokなどで活躍する動画配信者やライバーの方は自宅やレンタルスタジオを借りて配信する場合、オフィスを用意する必要はありません。コストを抑えて住所を借りられるバーチャルオフィスは、最適なサービスといえるでしょう。

また、バーチャルオフィスを個人事務所の住所として設定すれば、自宅を公開することなくファンレターやプレゼントを受け取ることができ、ファンとの交流も図れます。自宅への転送費用などはかかってしまうものの、動画配信者やライバーにとってバーチャルオフィスは非常に相性の良いサービスです。

③製造・販売関連(雑貨販売、服飾販売など)

委託製造や自身でハンドメイドされている場合は、本社や支社などの拠点地としてバーチャルオフィスを利用しています。流通の規模や販売方法によってオフィスを借りる必要がない場合は、自宅以外で公にする住所が利用できれば、取引先からの信用も得ることができます。また、バーチャルオフィスによって都心の一等地を安く借りることで、資金繰りもうまくいきやすくなるはずです。

④ネットショップ関連(Amazon、楽天、ヤフオク、自社ECサイト)

バーチャルオフィスは、特定商取引法の住所として利用可能です(条件あり)。そのため、自社ECサイトやAmazon、楽天、ヤフオクなど、ネットショップを通じて商品を販売する無店舗小売業の方に向いています。商材が手元にあれば個人事業主の方でも手軽に出店できるため、開業する人が増加しています。

⑤サービス関連(経営コンサルタント、講師、Webコンサルタントなど)

コンサルタントや講師は、基本的に客先へ訪問したりオンラインで業務をしたりと、自身でオフィスを構える必要がありません。バーチャルオフィスを提供している会社によっては、貸し会議室などのスペースを借りれる場合もあります。来客対応ができたり、講習が可能であればより事業にとってもプラスになります。

⑥出張ビジネス関連(整体、ヨガインストラクター、家事代行など)

サービス関連の業種と同様に、個人事業主として取得した資格を生かすことのできる出張ビジネス関連の業種の方にもバーチャルオフィスは向いているといえます。自宅の住所を公開することなく格安で事務所を構えられます。バーチャルオフィスの住所はWEBサイトや名刺にも記載できるので、ブランディングの一環にもなります。

⑦学習支援事業(会議室のあるバーチャルオフィスの場合)

会議室やレンタルスペースがあるバーチャルオフィスに限られますが、外国語教室やそろばん教室などの学習支援事業もバーチャルオフィスがおすすめの業種です。追加料金を支払うことで会議室やレンタルスペースを使用できるところがあります。実際に賃貸オフィスを借りると、1か月分の賃貸料を支払う必要がありますが、バーチャルオフィスであれば使用する時間のみ支払いで済みます。

 

昨今では、個人で活躍するビジネスが多くなっており、今後も新しい業種が出てくる可能性はあるでしょう。バーチャルオフィスはオフィスを必要としない業種にぴったりのサービスです。バーチャルオフィスは運営している会社によってプランやルールが異なるので、ぜひご自身の業種やお仕事内容に合った使い方を検討してみて下さい。

バーチャルオフィスに向いてない・違法になる可能性がある業種

ほとんどの業種はバーチャルオフィスの住所で登記できますが、一部の業種は実際にオフィスが無ければ登記できません。登記に事務所の面積や事態などを求められるためで、該当する業種の場合は登記に合わせてオフィスを構える必要があります。以下の業種は基本的にはバーチャルオフィスの住所では登記できないため、注意が必要です。

  • 有料職業紹介事業
  • 人材派遣業
  • 一部の士業 
  • 建設業
  • 不動産業
  • 探偵業
  • 廃棄物処理業
  • 金融商品取引業

実際にサービスを利用する前にバーチャルオフィスでも問題がないか、指定の機関へ問い合わせて確認されることをおすすめします。

個人事業主がバーチャルオフィスを利用する目的

自宅住所を公開したくない

最も多い理由が「自宅住所を公開したくない」です。自宅住所を使用することで起こり得るトラブルを回避するためにも、手軽に借りられてビジネス用に公開できる住所のニーズが高まっているようです。管理規約により、賃貸での事務所登録不可である場合があります。引越後の住所が登記NGだったという場合は登記変更、移転といった手続きが必要になるため注意が必要です。

▪新規事業の拠点として使いたい

起業家のスタートアップ用拠点として使いたいという方も多くいらっしゃいます。弊社のバーチャルオフィスV.OFFICE23は「札幌中央区」という最も好立地でアクセスの良い住所が使用でき、打ち合わせや来客時に使用できる貸し会議室があるといった点においても体裁を整えるのに適していると思います。

法人登記用の住所が必要

自宅で個人事業主としてビジネスを行っていた方が、自宅住所が法人設立NGであるため法人登記用に新しくバーチャルオフィスを借りるというケースも多く見受けられます。また第二、第三の新しい法人設立拠点としてバーチャルオフィスを使いたいという方もいらっしゃいます。

後に法人登記を検討している方は、個人契約から法人契約に変えたタイミングで法人登記可能なバーチャルオフィスを選んでおくと法人成り時の急な移転や、出費等のトラブルも避けられます。

まとめ

バーチャルオフィスに向いている業種は、主にオフィスを持たない業種です。WEB関連やネットショップなどさまざまな業種の方がバーチャルオフィスを利用しています。ただし、許認可が必要になる業種は、バーチャルオフィスでは要件が満たせず、開業できないケースがあります。

開業や起業にあたって、できるだけコストを抑えたいと考えている方は、ご自身の事業に適正なサービスを上手く使用して、事業のプラスになるよう検討することが大切です。