2022.03.02 豆知識

【バーチャルオフィス 登記】

バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に用いるメリットと注意点

事業を行うために法人登記をする際、「所在地」として住所を届出なければなりません。しかし、自宅が賃貸物件の場合、契約上住所を事業用に使えないケースもあります。そこで役立つのが登記可能なバーチャルオフィスのレンタル住所です。

本記事では、バーチャルオフィスのレンタル住所の法人登記への利用の可否と法人登記に用いるメリット、法人登記に用いる際の注意点についてご紹介します。

 

・バーチャルオフィスのレンタル住所は法人登記に使える?

バーチャルオフィスの法人登記への利用について説明する前に、バーチャルオフィスの基礎知識と法人登記について知っておきましょう。

 

(1)バーチャルオフィスとは

バーチャルオフィスは言い換えれば「仮想の事務所」という意味になりますが、実際には、実在する住所地の貸出サービスを提供しています。

住所の他FAXや電話番号貸出、会議室利用など起業に必要なサービスを併せて提供しているバーチャルオフィスも多くみられます。運営会社によっては、住所利用を基本サービスとして、その他はオプションプランになっているところもあるので、ご自身の予算感や状況に合わせて選ぶといいでしょう。

 

(2)法人登記とは

法人登記とは、会社設立の際に商号(社名)や本店又は主たる事務所の所在地、代表者氏名と住所などを法務局に登録し、開示するための手続きを指します。会社登記を経て社会的に会社としての信頼を得られるようになります。

 

(3)レンタル住所の法人登記への利用可否

結論からお伝えすると、バーチャルオフィスから貸し出しを受けた住所は、法人設立時の定款作成や登記にも利用可能です。

法人登記について規定している商業登記法では、本店所在地についての規定は設けられていません。そのため、基本的にはどのような住所でも利用することができます。

 

ただし、事業によっては個人情報保護の観点から住所地を選ぶ必要が出てきます。例えば、ネットショップなどを運営する場合は、ECサイトの開設に伴い、特定商取引法に基づいて住所をネット上に公開しなければならないケースも出てくるでしょう。しかし、ネット上に自宅住所を公開するのは、不安を感じられるかもしれません。

 

このような場合には、バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に利用されることを強くお勧めします。

例えば、弊社では札幌市中央区という法人可能な住所を追加料金なしで貸し出しているため、会員様からは「自宅住所を公開しないで済むので安心です」といったお声や、「人気エリアの住所を割安で利用できてありがたい」「札幌市中央区という土地柄、取引先からの信頼感も得られる」とのお声も頂戴しています。

 

一方で、バーチャルオフィスによっては、法人登記の利用時は別途料金がかかったり月額利用料金が変わったりするケースがあります。契約後に後悔しないためにも、どのような料金体系かを契約前に確認しておきましょう。

 

(4)同一住所、同一法人名の設立に注意

先述の通り、バーチャルオフィスから貸出しを受けた住所は法人登記に利用できますが、同一住所に同じ商号がある場合に注意しなければなりません。

バーチャルオフィスの住所は、登録会員それぞれに貸出しているため、別の会員と商号が重複してしまう可能性が生じます。このような場合、後からの申請は却下されてしまいます。

スムーズに法人登記を行うためにも、申請の前に、その住所地を管轄する法務局で、同一住所に同一商号がないかを確認しておきましょう。

 

 

・バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に用いるメリット

法人登記にバーチャルオフィスの住所を用いる際の代表的なメリットは次の5つです。

 

(1)人気の都心部の住所を安価で利用できる

法人化する際、ビジネス街の住所を使うか、それとも過疎地の住所かにより、取引先や顧客からの客観的な評価は変わります。誰でも知っているエリアであれば、その分安心感が高まりますが、認知度が低いエリアであれば、会社の信用度も低くなりかねません。

 

V.OFFICE23では、札幌市中央区という、札幌でも人気エリアの住所を貸し出しています。会員様からは、「ビジネス街の住所は取引先から信用を得られ、商談にもつながっています。」「オフィスを構えるとしたら多額の費用が掛かってしまう人気の場所を安く使えて助かります。」とのお声も頂戴しています。

 

(2)地域に根ざした事業に活用しやすい

地域に根ざした事業をする際にも、バーチャルオフィスの住所は有利に働きます。

以前、「東京在住」の会員様が、ネットショップで北海道土産の物販業を営まれる際に、本店所在地を東京都と札幌市、どちらにすべきか迷われるケースがありました。

結果として、その会員様は弊社と契約し、札幌市中央区の住所を本店所在地として法人登記に利用されました。

地域に根ざした事業ジャンルの場合、東京など大都市の住所を使うことは必ずしも良いものではありません。事業に関する住所を利用する方が顧客からの信頼に繋がることは明白ですよね。

 

バーチャルオフィスを利用すれば、安価で人気エリアの住所を利用できる一方で、地域的なメリットがあることも知っておきましょう。

 

(3)自宅住所を公開しなくてよいのでプライバシーが守れる

バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に使えば、自宅住所を公開しなくて済みます。自宅住所を一般向けに公開することに不安がある方や、取引先や顧客から訪問を受けて困る事情がある方は、積極的にバーチャルオフィスを利用されることをお勧めします。

 

実際に店舗を持たない場合であっても、例えば、ネットショップを作る場合などは特定商取引法に基づいて運営者住所を公開しなければなりません。法人登記にバーチャルオフィスのレンタル住所を登録している場合は、そのレンタル住所を記載すればよいので、プライバシーも守れます。

 

(4)起業初期の支出を抑えられる

オフィス物件の賃貸費用は、居住用よりも賃料が高くなる傾向にあります。特に、都心部や人気エリアの住所地であれば、何十万円~何百万円もの費用がかさんでしまいます。

一方で、バーチャルオフィスの契約であれば、月々の基本料金を支払うことで住所を利用できます。

特にネットショップの運営などであれば、物理的なオフィスの必要性が少ないため、バーチャルオフィスの住所で事足りるケースがほとんどです。

弊社にご契約中の会員様も、取引先との打ち合わせの必要があれば、貸会議室を借りるなどしてご対応されています。

 

(5)短期間で住所を使えるようになる

バーチャルオフィスの利用は時間的なメリットも含んでいます。

例えば、物理的にオフィスを借りる場合であれば、内見から審査、契約に至るまで約1ヶ月は必要となります。さらに、オフィス家具やインターネット回線を準備するなど、更なる支出と時間が増えてしまいますし、それぞれに手続きも煩雑となるでしょう。

一方で、バーチャルオフィスの契約であれば、約1週間で契約が完了し住所を利用できるようになります。弊社でご契約の場合は、Web上の手続きのみで、3~7営業日にて契約が完了するため、スムーズに住所をお使いいただけるとご好評いただいております。

 

・バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に用いる際の注意点

バーチャルオフィスのレンタル住所を法人登記に用いる際の注意点についても確認しておきましょう。

 

(1)レンタル住所を許認可や届出に使えない事業がある

法人登記時に主たる所在地としてレンタル住所を使える一方で、事業によっては国や都道府県に対する許認可申請や届出を行わなければならないケースがあります。

これらのケースでは、事業を行っている実態のある場所を住所地として届け出なければなりません。

 

具体的には士業、金融商品取引業、有料職業紹介事業、古物商、廃棄物処理業、不動産業、探偵業などが一例に挙げられます。これらの事業について許認可や届出をする際は、バーチャルオフィス以外の住所地を用いるようにしてください。

 

(2)業務場所を確保する必要がある

バーチャルオフィスは住所を貸し出すサービスです。運営会社によっては貸会議室を提供しているケースもありますが、基本的に有料での利用となります。

自宅で業務を行えるのであれば問題ありませんが、「場所」が必要な場合は、バーチャルオフィスではなく、オフィス物件の賃貸を検討してください。

 

(3)同一住所を利用する他企業と混同されるリスクがある

バーチャルオフィスの住所は、別の会員も用います。そのため、別の会員がトラブルを起こしてしまった際に影響を受けてしまうかもしれません。また、住所から検索した際に別企業も表示されるため、お客様が誤認する恐れもあります。

 

(4)外部機関からの評価に影響を与えるリスクがある

例えば、金融機関から融資を受ける場合、信用に足る企業であるか、実態のある企業であるかの審査が入ります。

審査機関や状況にもよりますが、バーチャルオフィスの住所は実態なき企業であるとみなされる可能性があります。登記後、早期に融資を受ける計画をしている場合は、バーチャルオフィスを利用するかどうか良く検討してください。

 

バーチャルオフィス住所を活用して起業しよう

バーチャルオフィスから貸し出される住所は、法人登記も可能です。

ただし、運営会社によっては、法人登記ができないところや、別途料金が必要な場合があるので契約前に確認してください。

業種によっては、活動実態のある住所を登録しなければならないケースもあります。自身が登記を予定している業種の許認可や申請につき、バーチャルオフィスの住所が利用できるかも確認しておきましょう。

バーチャルオフィスは、物件を借りるよりも安価で利用でき、ビジネス上のプライベートを守る際にも有用です。ぜひ、ご活用ください。

また、札幌のバーチャルオフィスをご検討される際、プラン選びに迷われる際は、V.OFFICE23まで気軽にご相談くださいませ。